【寄稿】ファッションで自分の可能性を広げられるように
成嶋 徹さん パラアスリート・JR東日本
成嶋さんは、会社に勤務しながら競技スポーツに取り組むパラアスリートです。ご自身の病気や身体的特徴による服選びの難しさを経験し、同じ境遇の子どもたちの悩みにも関心を寄せて活動してきました。
本記事では、金城学院大学のファッションショー出演や日ごろの活動で感じてきたことをご寄稿いただきました。
私は、JR東日本で働きながら、パラスポーツにも挑戦しています。競技は、パラ競泳とパラローイングです。
3歳でオリエール病と診断され、脚の骨延長による手術を受けました。現在は、マフッチ症候群と診断されています。右腕と右脚が約26cm短いという身体的特徴がありますが、私はこの病気があることをネガティブに捉えたことはありません。
確かに、学生時代、障害が理由で体育を見学することもありましたが、大人になってから周囲の励ましや、パラスポーツでのトレーニングをつうじて、自信を得ることができました。工夫しながら試行錯誤を重ねた結果、パラスポーツの大会にも参加しています。

パラスポーツの活動をつうじて、同じ病気がある子どもたちからメッセージをいただくことがあります。
その中には、オリエール病によって苦しんでいるという声もありました。特に、骨延長による手術と脚の長さの違いにより、衣服や下着の選択肢が限られているという現状を知り、私にも何かできることはないかと考えるようになりました。
例えば、骨延長に伴う手術等が原因で、子どもたちが市販の服を着ることができないという問題があります。代わりに、紙パンツや介護用の衣服を使うことが多いそうです。確かに、私自身も服選びに苦労した経験があることを思い出しました。
デザインが気に入った服でも、試着の際にズボンやシャツの採寸で説明がうまくできないことで、購入を諦めてしまうことが何度もありました。このような原体験から誰でも自分に合った衣服を見つけられる環境づくりが大切であると感じるようになりました。
国立障害者リハビリテーションセンター研究所を訪ねたところ、名古屋の金城学院大学が行っている取り組みをご紹介いただきました。そして、2024年9月7日に金城学院大学で行われたファッションショー「Fashion for allを目指して~着たい服で輝く~」へ出演する機会をいただきました。
このイベントでは、私の体に合ったデザインの衣装を着て、舞台に立つことができました。体の左右差や装具などを考慮した衣装は、私に自信と喜びを与えてくれました。衣装は、金城学院大学の先生や学生たちが私の体の特徴を理解し、親身にデザインしてくれたものです。皆さんの熱意と工夫のおかげで、私の大きな力となり、自信を持って舞台に立つことができました。
この経験では、ファッションがどれほど大きな力を持っているかを実感しました。さらに、ファッションは単なる服ではなく、自己表現の一つであることに気づきました。
イベントでは、車いすを利用されているヒトや寝たきりのヒトのための衣服も紹介され、デザインやリメイクを加えた衣服にとても感動しました。来場者が笑顔になる様子を見て、ファッションが社会において大きな役割を果たすことを実感しました。



最後に、私は同じ病気がある子どもたちの役に立ち、希望を与える存在になりたいと考えています。
ファッションもその一つです。その子どもたちのために、これまでも仲間と協力して、下着のリメイクを行うボランティア活動をしてきました
。挑戦することで新しい世界が広がり、可能性を感じることができました。ファッションは私たちの生活を豊かにすることができます。パラスポーツで自分の可能性を広げたように、ファッションについても、同じ問題意識を持つ皆さんと共に挑戦し続けていきます。


