目次 兼 講演概要(レジメ)紹介
平林由果
開会挨拶(カシオ科学財団の第14回研究協賛事業の助成を受けて今年1月から共同研究がスタートしたこと、金城学院ファション工房で開催したファッションショーを紹介した。)
小野栄一
趣旨説明、他 本シンポジウムの開催趣旨説明と情報共有のためのウエブサイトの作成協力をお願いした。
山岸加奈子氏
全盲にもかかわらず、自分で綺麗にお化粧ができます。そして、トロンボーンソリストとして、日本ケアメイク協会理事長としても活躍されています。綺麗にお化粧できると服もオシャレしたくなると思いますと言われ、山岸氏の服の購入法・管理の仕方、現状と今後に期待することを話された。
富田公美氏
オリエール病のお子さんがおり、オリエール病の説明と、衣服を取り巻く課題として身体にあう衣料品が少ないこと、機能性のある衣服が必要なこと、衣類の情報共有する場が少ないことを述べ、個性のある体に合うファッショナブルな衣類は自信を与えてくれると思うと述べられた。
中澤幸子氏
複数の実例紹介を通して、服が心を少しずつ開くきっかけになった例、本人の努力もあるが金メダルを取れた例などを紹介し、どんな小さなことでもいいので声をかけてほしい、連絡をとりあってやっていきたいと声をかけられた。
雙田珠己氏
衣服のおしゃれと着脱性を両立させる修正方法が既製服のパターンに反映され、誰もが着られる服ができることを期待し研究したことと、今後の課題として衣服の相談窓口を挙げた。
星川安之氏
「共用品」および「星川氏と共用品のつながり」を紹介し、おしゃれな共用品や、星川氏の思うおしゃれ、幅広い視点で考えさせられる事例をたくさん述べられた。
大野淑子氏
山野美容芸術短期大学で取り組まれている美容福祉、ジェロントロジー、美齢学の定義やその教育・実践例、装いの効果、日本美容福祉学会開催の紹介をされた。
鈴木綾氏
服に困る本人が一番のデザイナーとの信念で活動をされてきて、NPOを立上げ、障害のある人を対象に開催したアダプティブファッションデザインスクール、他の取組を紹介された。
前田哲平氏
障害や病気のある多くの人が服の選択肢が少ない悩みがあることを知り、着たい服を着られることが理想ではないかと始めたお直しをする新サービス、様々な賞を受賞したキヤスクの紹介と今後について紹介された。
課題の一部の解決ではなく、仕組みで解決することを考え、国内外の社会問題を解決しようと様々な取組をし、海外のデザイン、ファッションの賞を受賞。その仕組みや現状、今後について紹介された。
加藤路瑛氏
感覚過敏の説明と感覚過敏の課題解決のため起業した感覚過敏研究所の業務、アパレルブランド KANKAKU FACTORYや服以外の開発について紹介された。
情報交換会
会場2チームが、情報交換した内容を2分程で発表した。
徳永千尋
閉会挨拶 情報共有することが次のステップへのつながりと思いました。
URL のアクセス日 2024/01/09
もし、間違いなどにお気づきの場合、ご一報いただけると幸いです。
概要(レジメ)作成の文責 国立障害者リハビリテーションセンター 研究所顧問 小野栄一
開会挨拶
平林由果(ひらばやし ゆか)
金城学院大学 生活環境学部 環境デザイン学科教授
研究班の代表であり、2009年に金城学院ファッション工房を立ち上げ、高齢や障害でおしゃれを諦めている方のために衣服支援をしている1。
概要(レジメ)
カシオ科学財団の第14回研究協賛事業の助成を受けて今年1月から共同研究がスタートした。
研究の一環で金城学院ファッション工房では9月7日に「Fashion for Allを目指して ~着たい服で輝く~」と題してファッションショーと衣装展示、そしてワークショップを実施した。その取り組みを3分程の動画で紹介した。動画の最後に、平林教授は、ファッションの力をとても感じていて、着る人の気持ちを明るくして元気にするものだと思うと述べている。金城学院ファッション工房は、少し工夫することで楽に着脱できることをもっと多くの方に知ってもらい、誰もがおしゃれを楽しめるようになることを心から願って活動を続けている。
参考・URL
第1部 ファッションを通じたインクルーシブ社会の実現のために~新しい価値創出の可能性を探る~
本シンポジウムの開催趣旨・ウェブ紹介と作成協力のお願い
小野 栄一(おの えいいち)
国立障害者リハビリテーションセンター 研究所顧問
4半世紀、加齢や障害などに配慮した衣服にかかわっている。2011年国立障害者リハビリテーションセンターに専任となり、2011年に国リハコレクション1を看護部と一緒に始めた。
概要(レジメ)
多くの方々の尽力にもかかわらず、加齢や障害などに配慮したおしゃれな衣服必ずしもあまり世の中に広まっていないのではないかとの懸念があった。どうやったら普及するのかと課題を抱えていたことから、いろんな方のいろんな立場の方のお話を聞いて、普及促進の参考となるようにとシンポジウムを企画した。
情報共有のためのウエブサイト作成中で、ウエブサイトにどのような情報が掲載されると参考になるか、様々なアドバイスまたは掲載情報の提供など、差しさわりない範囲で今後ご協力をお願したい。
ウエブサイト2が、必要な服がどこでも手に入りやすくなる環境促進の一助につながることを願う。
参考・URL
- 国リハコレクション
https://www.rehab.go.jp/ri/eventj/fashion-new/2023/ - ファッションのインクルーシブデザインを目指した情報共有サイト
https://yasashii-fashion.jp
当事者・家族の立場から困ったこと、工夫したこと、解決してほしい課題など
視覚障害者の服装選び
講師紹介
山岸加奈子(やまぎし かなこ)氏
鈴木加奈子としてトロンボーンソリスト、音楽教室講師、一般社団法人日本ケアメイク協会1/ 理事長
昔は弱視で、色も形も見ることができていたが、大学卒業後から少しずつ見えにくくなり、現在は全盲で、盲導犬と外出をしている。
2016年に視覚障害者の化粧法を学び、化粧は見た目だけでなく心も変えてくれるものだということに感動した。
概要(レジメ)
視覚障害者が自力でお化粧をする「ブラインドメイク」の普及活動をしている。自力でお化粧すると、自己肯定感が高まり、いろいろな人に会いたくなり、お化粧が綺麗にできるようになると、髪の毛や服装まで気を配るようになってくると思う。
視覚障害当事者の立場でのお話で、一例として、洋服の選び方、管理、現状や大事なこと、今後に期待することを話された。
洋服は、記憶に頼るだけでなく、色や柄を教えてくれる機械やスマートフォンのソフトエア、洋服の情報を読み上げるモノを紹介された。大事なことは、昔は見えていた人や、生まれつきに見えない人、それぞれ、色の認識は違うことを含め、いろいろ話され、 最後にシミや色落ち、靴下の色違いや裏返しなどに気づいた時は、さりげなく伝えて頂いた方がよいと述べられた。
今後、洋服の管理・コーディネートの提案をしてくれる視覚障害者でも使いやすいアプリケーションができると、洋服選びがさらに楽しめると思うとのこと。
参考・URL
- 一般社団法人日本ケアメイク協会
https://caremake.jp/ - ものタグ
http://www.connectdot.jp/mono-Tag/
患者と家族から見た子供衣類の課題 オリエール病と共に生きる家族の視点
講師紹介
富田公美(とみた くみ)氏
多発性内軟骨腫症(オリエール病)のお子様の母親
母親の視点から見た日常生活および治療と衣服の関係、支援学級や小児病棟の母親間での情報交換から見えてきた課題を紹介する。
概要(レジメ)
現在、小学5年生で、小学校1年生から五回の手術入院をしているお子さんがおり、オリエール病と衣服に関する課題を述べた。オリエール病は軟骨部分に変形や短縮の成長障害があり、対処療法のみで、治療の選択は人による。課題は、身体に合う衣料品の少なさ、機能性が必要、衣類の情報共有をする場が少ないことで、それぞれ具体例をあげて説明された。
足の骨を6センチ延長するため、足の骨を切って足に固定具を数ヶ月つけた。体に金属が入っている箇所は、軽い衝撃でもすごく強い痛みを感じる。夏でも、真冬の防寒用の分厚いズボンをクッション性の機能があるので、履いて登校したこともある。
また、普通の下着やズボンを履けないので、ボタン付きの下着を着心地を優先して製作した経験などを話された。小児病棟では多くの家族が衣服を加工して持参していたので、衣類に関する相談、加工できる場が、病院にもあるとよい。個性のある体に合う衣類の用を突き詰めると最高にファッショナブルになり、自信を与えてくれるのではないかと思う。
参考・URL
企業の立場から 何故始めたか、どんな課題があるかなど
実例紹介を通じて
講師紹介
中澤幸子(なかざわ さちこ)氏
株式会社SACHI 代表取締役
おば様の影響で洋服作りに興味を持たれて、服飾専門学校に進み立体裁断やデザイン画の知識などを学び、大手アパレルメーカーに就職。その後、様々な経験を積み1、ご縁があり、マジックミシンの加盟店のオーナーになられ、(株)リフォームスタジオの「ユニバーサルセミナー」をされたりした。現在、オーダー・リメイク・ユニバーサルファッションを得意とする「アトリエ・クチュリエール東急プラザ渋谷店2」を含む4店舗を運営している。
概要(レジメ)
リフォームスタジオの加盟店として、お直し、リメイク、オーダー、それからインクルーシブデザインを手がけている。このシンポジウムに参加した理由は、洋服に関する悩みに対応して洋服のお直しや作製していることを少しでも知ってもらい、洋服の悩みをより多く聞けたらとの思いからである。経験した事例3点を豊富な写真付きで発表された。
ちょっとしたきっかけによって本人の気持ちを前向きにさせてくれる洋服。中澤さんはこのようなことに携わるということが如何に大切か、事例を通じて感じることができるようになったとのこと。
ちょっとしたことで本人の気持ちが変わる。その方のお話をじっくり聞いてあげて、心を少しずつ、開かせてあげて、それで前に向かせてあげる。そんな関係ができると中澤さんは非常に嬉しいなと思う。
このような形で進めており、どんなに小さなことでもいいので、お話しを聞かせてもらって、連絡取り合いながらやっていきたいと思っているとのこと。
参考・URL
- 今まで培ってきた知識や技術を若いスタッフへ伝え、お直し技術者の社会的地位向上をめざす!
https://www.talent-book.jp/reform-s/stories/53464 - アトリエ・クチュリエールについて
https://www.magicmachine-rs.com/atelier-couturiere/
研究者の立場から 何故始めたか、どんな課題があるかなど
講師紹介
雙田珠己(そうだ たまみ)氏
元熊本大学教授
大学で被服学をご担当され、運動機能に障害のある人の衣服、衣生活を研究テーマとした。いつまでも自分らしく装い、できるだけ一人で着脱ができることを目指し、障害の状況に適応したおしゃれで着脱しやすい修正方法を検討され、特別支援学校の衣生活分野のプログラムの立案や講習会など多方面で活動された。近年は、地域で衣服の相談窓口を開いている。
概要(レジメ)
障害がある方の衣服と衣生活について、25 年くらい関わっており、「なぜこの研究を始めたか」と「課題」の二点について話された。「オシャレと着脱性」を両立させる修正方法が既製服のパターンに反映され、誰もが着られるインクルーシブな衣服が出来ることを期待し研究を始めた。衣料と医療の連携を基本とした研究方法の説明、肢体不自由特別支援学校での活動について述べられた。退職後に始めた相談窓口の活動が、当初思ったほど人が集まらなかった経験も含め、調査してわかったことを述べられた。
課題としては、衣服の相談窓口の必要性を挙げられた。たとえば病院や高齢者施設、誰もが足を運べる市役所などで定期的に相談ができるとよい。そこで、小さなことからモデル的に始めようと、雙田先生はグループで衣服の相談窓口をやっている。もし、一緒にやりたいと思う人は、お声がけくださいとのこと。
第2部 誰でもおしゃれを〈取組の例〉
公益法人・大学の取組
共用品とおしゃれについて
講師紹介
星川安之(ほしかわ やすゆき)氏
公益財団法人 共用品推進機構/ 専務理事
学生時代、ボランティア先の重度重複障害児の通所施設の職員の方の「ここの脳性麻痺のある子ども達が遊べる市販のおもちゃが少ない」という声を聞き、おもちゃメーカーのトミー工業株式会社、現在のタカラトミーに就職され、視覚障害児専用のおもちゃの開発、共遊玩具の研究・開発に携わった。今では誰もが使えるように、日本産業規格いわゆるJIS や国際比較のISO に関する事務局でも活躍されており、著書も多数ある。
衣服に限定せずに広くおしゃれの視点について、多数の写真・図で説明された。ユーモアがあり、ご講演でも、その片鱗が伺えた。
概要(レジメ)
多くの人々が共に利用しやすいもの【共用品】の紹介をされ、共用品のつながりと実践したこと、「共用品とおしゃれ」のテーマで思ったこと、考えたことなどを様々視点からたくさんの事例を通じ紹介された。共用品の例では、温水洗浄便座やシャンプーとリンスの容器区別のため、シャンプー側にギザギザをつけたことがよく知られていると思うが、左右の大きさの違う靴や足の長さの違いなどに対応した半オーダー的な仕組みや、見た目にてんかん用と気づかないおしゃれな帽子が雪ですべる町で売れてること、名称の付け方ひとつで大きな影響があること、サービスの仕方で障害のある人もそうでない人も使えるようになることなど、具体例で説明された。
星川さんが思う、おしゃれとは、①選択できる、②違いを無理なく認め合う、③他人が(も)いい気持ちに楽しめる、④自分が(も)楽しめる、ではないかと思ったとのこと。
参考・URL
- 公益財団法人 共用品推進機構
https://www.kyoyohin.org/ja/index.php - 動物の付いた水泳帽子
https://www.footmark.co.jp/product/i-202117/
美容福祉と美齢学
講師紹介
大野淑子(おおの よしこ)氏
山野美容芸術短期大学 客員教授
日本女子大学をご卒業後、アパレル業界に十年ほど勤務され、その後山野美容芸術短期大学で教鞭をとられて20 年余り、教育活動の傍ら、高齢者や障害のある方々の美容、装いの支援、そして実践活動に関わっている。
概要(レジメ)
山野学苑の山野美容芸術短期大学の「美容福祉、ジェロントロジー、美齢学」の教育や実践について紹介された。各用語の定義、山野学苑で扱う美齢学・美容福祉とその実践例およびその効果、最後に日本美容福祉学会開催の紹介があった。
1999 年から先駆的に美容福祉の教育を開始し、今に至っている。理美容で、高齢で理由不明で歩けなかった人が、足爪ケアによって歩けるようになった例や、車椅子利用者が着物をリフォームせずに着る方法があることや、すでに美容師になった人向けの美容福祉講習会などについて話された。
抗がん治療の際に女性は内面の痛みよりも外見の変化が嫌というアンケート結果があり、アピアランスケアでは、苦痛軽減のためウイッグやメイクなども重要。がん対策基本推進計画1で、昨年から補正下着の補助金が出ている。
人は装いによって気分の高揚、自信の向上、不安の低減などで、積極的な行動になる。高齢になっても障害があってもおしゃれを諦めない環境やサポートがあれば、活発な生活ができる。
参考・URL
- がん対策推進基本計画の見直しのポイント
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001127422.pdf - 車椅子利用者への着物着付けの普及活動
https://www.yamano.ac.jp/outline/social/wheelchair.html - 日本美容福祉学会
https://bwgakkai.gr.jp/
人材育成の取組
身体障害者のファッション教育の取組み
講師紹介
鈴木 綾(すずき あや)氏
NPO 法人エスプリローブ 代表理事
2011 年にファッションブランド、アトリエ エスプリローブを開業、当初からファッション教育、ソーイング教室、パターン教室、デザイナー育成講座などを行っていた。車椅子でお買い物ツアーというイベントはじめファッションショーやワークショップなど様々なイベントも開催していた。
現在は、文化服装学院連鎖校の香蘭ファッションデザイン専門学校に勤務の傍ら、NPO 法人エスプリローブ1の運営、アトリエエスプリローブの顧客のためのオーダーメイドを継続している。
概要(レジメ)
身体障害者のファッション教育に取り組むきっかけ、アダプティブファッションデザインスクール、その他の取組を話された。
服に困る本人が一番のデザイナーと思い、服作りのサポートを行っていた。しかし、個人で服の製造、販売の他にさまざまなイベント活動を行うことは、体力の限界があり、NPO 法人を作った。
アダプティブファッションデザインスクールは、体に障害のある人に本格的なファッション教育をするスクールで、個人面談で選出した19 名にオンラインで実施した。その内容と結果、修了生のその後について説明された。
服飾の基礎学習を終えた人に、障害や病気のある方の体と心に向き合う衣服を学ぶ講座を開催したり、現在勤務する学校で障害や病気の体に適応するファッションについて、誰もが満足いく装いができる世界を作っていってもらいたいと願い、学生指導している。
今後、ファッション教育機関が重度の障害があっても、学びたい人が学べる環境づくりや働く環境づくりの実現を願っており、今後の課題としている。
参考・URL
- NPO 法人エスプリローブ
- アダプティブファッションデザインスクール受講生のマイブランド紹介サイト
https://afs-brands.studio.site/?fbclid=IwAR3SzwzyWbChxbgL6d85bj_MJwVERxJxI5DraM3uYUrGmxk53RZWm6aFeu4
企業の取組
服のお直しサービス「キヤスク」の紹介
講師紹介
前田哲平(まえだ てっぺい)氏
株式会社コワードローブ 代表取締役
障害や病気のある人向けに既製服を着やすくお直しするサービス『キヤスク』1代表。ユニクロ在職中に800 人を超える当事者に服の悩みを聞き、その中で得た気づきや課題意識をもとに、2021 年に独立・起業、2022 年サービス開始。グッドデザイン賞ベスト100、ACC TOKYOCREATIVE AWARD グランプリ、SDGs 岩佐賞などを受賞2。
概要(レジメ)
ユニクロに20年間在籍中、障害や病気のある人の服の悩みを知る機会があり、多くの人が服の選択肢が少ない悩みがあることを知り、その解決をしたいと、ユニクロを退職してキヤスクというサービスを創った。様々なメディアに紹介され、ビジネスデザインの社会性や新規性が評価され、様々な賞を受賞している。
キヤスクとは、障害とか病気などの理由で、着たい服よりも着やすい服を優先せざるを得ない人に、着たいと思う既製服をその人の体に合わせて着やすくお直しをするオンラインサービスのこと。
キヤスクのサービスの特徴や2年半の実績を述べられた。さらに、個人向けのキヤスクの運営ノウハウを法人向けにしたサービス「キヤスクtoB」を今後進めるとのことで、そのメリットや新しく始めた「キヤスクwithZOZO」ついて話され、様々な企業・ブランドと協業しながら、「誰一人取り残さない」アパレル業界に作り上げるため、続けることが一番大事と思っている。
参考・URL
- キヤスク
https://kiyasuku.com/ - GOOD DESIGN AWARD グッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)、経済大臣賞/ACC グランプリ、IAUD 国際デザイン賞2022金賞、SDGs 岩佐賞など
インクルーシブファッション「SOLIT!」の紹介
講師紹介
田中美咲(たなか みさき)氏
社会活動家・ソーシャルデザイナー
SOLIT!は、日本で生まれ、日本・中国・イギリスを中心に活動するインクルーシブファッション企業です。2022 年には世界最高峰のデザインアワードiF DESIGN AWARD にてGoogleやApple と同等のデザインレベルであると評価され、最優秀賞を受賞。その後、カナダ・バンクーバーにて初の海外コレクションを実施。現在は、そのメソッドを国内外の大学や企業に提供し、多くの実践者を生み出すことに注力されている。
概要(レジメ)
SOLIT!の使命は多様な人も、動植物も地球環境も誰もどれも取り残さない社会に向けて経済圏を作り出すこと。田中さんは課題の一部の解決ではなく、仕組みで解決することを考え、国内外の社会問題を解決しようと社会人生活を過ごした。国内外のデザイン、ビジネス、ファッションなどに関する受賞1をされている。
SOLIT!の今までの取組、現在、今後について述べられた。SOLIT!は、服のパターンを服の部位ごとにカスタマイズ可能とし、開発プロセスでは多様な当事者とチームを作って意思決定している。着る人の思いや表現、自己実現なども含めたファッションの実現に注力している。その結果、ファッションショーは著名なメディアに紹介された。
現在、取り組みのメソッド化と論文・教科書化を進めており、今後は障害者の活躍に関する国際イニシアチブのV500( The Valuable 500)の日本カウンターパートになり、日本だけでなく海外に発信したり、海外で同じようなものを求めている人に、日本のソリューションに手が届くようにしたい。
参考・URL
感覚過敏の課題解決アパレルブランドの事例紹介
講師紹介
加藤路瑛(かとう じえい)氏
感覚過敏研究所 所長
感覚過敏当事者であり感覚過敏の課題のために13 歳で感覚過敏研究所を立ち上げ、感覚過敏の啓発や大学との共同研究、対策商品の企画・販売などに取り組んでいる。感覚過敏の人のためのアパレルブランド「KANKAKU FACTORY(カンカクファクトリー)」の展開のほか、センサリールームやカームダウンスペースなど五感に優しい空間の企画などを行なっている。
今回、感覚過敏の課題解決を目指したアパレルブランド KANKAKU FACTORY の取り組みを紹介された。
概要(レジメ)
現在18歳。12歳で起業、株式会社クリスタルロードの代表取締役社長となり、2020年の1月、自分の困りごとでもある感覚過敏の課題解決を目指して、感覚過敏研究所を起業した。
感覚過敏とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの諸感覚が過敏で、日常生活に困難さを抱えている状態で、病気ではなく、緩和方法が発見されていない症状である。
感覚過敏課題解決アパレルブランド KANKAKU FACTORYを展開中で、様々な課題に対して工夫をこらした衣服の説明をされた。その結果、服一つで学校に行けなかった複数の子供が行けるようになった。
感覚過敏の解決には、着心地のいい服を作っても、外の世界の刺激が強ければ外出が辛いままなので、服、部屋、都市空間すべてを優しくする必要があるとのことで、現在の取組を紹介された。着心地が良くておしゃれな服を着て外に出て世界を楽しめる社会を目指している。マンパワーなど不足しており、協力してくださる工場などの紹介など、加藤さんらの挑戦を応援いただけると嬉しいとのこと。
参考・URL
- 感覚過敏の僕が感じる世界 日本実業出版社 2022年8月1日発行
子どもの記憶が残っているうちに書いてほしいと言われ、ご自身の感覚世界を15歳の時書いた本 - カビンくんとドンマちゃん 感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方 株式会社ワニブックス 2023年8月10日発行 感覚過敏と鈍麻のある中学生を主人公にした物語で学校での困りごとや小さな心の葛藤などを追体験できる本
- カームダウンパーカー(秋冬向け)
https://kankakufactory.com/products/tyr-calmdawn-hoodie-heavy - センサリ―マップ クラウドファンディング
https://camp-fire.jp/projects/714268/preview
情報交換会
会場は、テーブルの配置を変えて、6チームに分かれて、10分少々賑やかに情報交換をし、2つのチームから話したことなどを手短に報告していただいた。
また、オンラインでも、2チームに振分けで、情報交換を試みた。
会場Aチームで話された話題は、以下のようなこと。
- 感覚過敏は、同じ人でも強い時や弱い時があり、場面によっても違うから、ちゃんと話を聞きながら対応することが大事という話。
- 着たいという気持ちは、高齢者はリハビリにつながるかも知れないが、子どもはその気持ちやニーズを育てることが大事ではないか。
- 洋服を直して着られるようになると、いろいろな思いの中、障害のある子どもと向き合っている親は、その子の成長を実感できる。ファッションには、そのような力がある。
会場Bチームは、インクルーシブファッションに関して、皆さんのお仕事経歴を聞いた。
衣服の販売や作製の経験をされた人がいて、お話をうかがった。
地道な努力、継続が一番大切で、問題意識やキャッシュフローも重要と思った。
閉会挨拶
徳永千尋(とくなが ちひろ)
日本医療科学大学 名誉教授 作業療法士
どのお話にも何かしら課題があり、その課題を解決するため、努力を惜しまない。継続が大事。情報交換すること、情報を共有することが、次の大きなステップにつながっていくと思いました。
お集まりの方々、オンラインでご参加いただきました皆様方にお礼を申し上げます。
本日はどうも皆様ありがとうございました。
