2025年1月31日

「障害等による機能低下、体型変化等に配慮した衣服の
開発と普及のための基盤整備」研究班

1.シンポジウムの概要

国内の「障害等による機能低下、体型変化等に配慮した衣服の開発と普及」に取り組む研究者や当事者、関係者等のネットワークを形成 するため、研究班やその他の有識者や当事者の協力を得て、シンポジウムを開催した。内容は図1のとおりである。

ファッションのインクルーシブデザインシンポジウム

日時:2024年11月9日(土)13:05-16:45
場所:会場(ビジョンセンター東京八重洲)・オンライン

第1部

【本シンポジウムの開催趣旨・ウェブ紹介と作成協力のお願い】

小野栄一(国立障害者リハビリテーションセンター / 研究所顧問)

【当事者・家族の立場から 困ったこと、工夫したこと、解決してほしい課題など】

「視覚障害者の服装選び」山岸加奈子氏(トロンボーンソリスト一般社団法人日本ケアメイク協会 / 理事長)

「多発性内軟骨腫症の紹介」富田公美氏

【企業の立場から 何故始めたか、どんな課題があるかなど】

「実例紹介を通じて」(中澤幸子氏株式会社 SACHI/ 代表取締役)

【研究者の立場から 何故始めたか、どんな課題があるかなど】

雙田珠己氏(元熊本大学教授)

第2部

【公益法人・大学の取組】

「共用品とおしゃれについて」星川安之氏(公益財団法人 共用品推進機構 / 専務理事)

「美容福祉と美齢学」大野淑子氏(山野美容芸術短期大学 / 客員教授)

【人材育成の取組】

「身体障害者のファッション教育の取組み」

鈴木綾氏(NPO法人エスプリローブ / 代表理事)

【企業の取組】

「服のお直しサービス「キヤスク」の紹介」

前田哲平氏(株式会社コワードローブ / 代表取締役)

「インクルーシブファッション「SOLIT! 」の紹介」

田中美咲氏(社会活動家・ソーシャルデザイナー)

「感覚過敏の課題解決アパレルブランドの事例紹介」

加藤路瑛氏(感覚過敏研究所 / 所長)

第3部 

情報交換会

図1.シンポジウムの概要

2.方法

シンポジウム終了後に、シンポジウム参加者にメールでアンケートの案内を送付し、アンケートを行った。

3.結果

アンケートの結果では、満足度5から1の段階評価で、5が25名、4が9 名、3が3名で平均の満足度は4.6であった。 また、アンケートの自由記述式回答では、「専門家、研究者、当事者、企業のさまざまな立場の方の課題や取り組みをたくさん聞くことができ勉強になった」、「様々な立場の方からの発表が非常に参考になった」などの意見が報告された。 各質問項目の詳細を下記に示す。

問1シンポジウムへの参加方法を教えて下さい(総回答数37名)

シンポジウムへの参加方法については、会場での全参加(情報交換会を含む)が9名(24.3%)、会場での全参加が5名(13.5%)、会場での一部参加が4名(10.8%)、オンラインでの全参加(情報交換会を含む)が4名(10.8%)、オンラインでの全参加が11名(29.7%)、オンラインでの一部参加が4名(10.8%)であった。

問1、シンポジウムへの参加方法(総回答数37)、会場での全参加(情報交換会を含む)9名、24.3%、会場での全参加5名、13.5%、会場での一部参加4名10.8%、オンラインでの全参加(情報交換会を含む)4名、10.8%、オンラインでの全参加11名、29.7%、オンラインでの一部参加4名、10.8%
図2.シンポジウムの参加方法

問2今回のシンポジウムに参加されたきっかけについて教えて下さい(総回答数37名)

今回のシンポジウムに参加されたきっかけについては、知見を深めるため11名(29.7%)、知人からの紹介16 名(43.2%)、学会・協会など4名(10.8%)、SNSで情報を得た4名(10.8%)、スタッフとして2名(5. 4%)であった。

問2、今回のシンポジウムに参加されたきっかけ(総回答数37)、知見を深めるため11名、29.7%、知人からの紹介16名、43.2%、学会・協会など4名、10.8%、SNSで情報を得た4名、10.8%、スタッフとして2名、5. 4%
図3.シンポジウム 参加 のきっかけ

問3-①.シンポジウムにはどのくらい満足されましたか(総回答数37名)

満足度5から1の段階評価で、5が25名(33.3%)、4が9名(26.7%)、3が3名(20.0%)で平均の満足度は4.6であった。

問3-①.シンポジウムの満足度(総回答数37)、満足度5、25名、67.6%、満足度4、9名、24.3%、満足度3、3名、8.1%
図4.シンポジウムの満足度

問3-②.具体 的な理由などあればご記入下さい(総回答数31名)

<シンポジウムの内容や情報量 について>

  • とにかく情報量が多かったことと、小さな活動からグローバルな活動まで、当事者から起業家の方まで、多岐に渡った事例を聞けたのは大変良かったです。
  • 多様な立場からの発表があり、話題も多岐に及んでいた点。
  • 講演者と内容が良かった。
  • 新たな情報を知りました。
  • ハイレベルな活躍をされている人の登壇。
  • 大変興味深い内容が多かったから。
  • 当事者のお考えや様々な企業の取組を知ることができたからです。
  • 着ている人の話しが聞けた。
  • 色々な 立場の方からお話が伺え、それぞれの活動が知れたことです。
  • 加藤さんの取り組みを生で聞くことができてよかった。

<シンポジウムに参加して自身の学びになったこと>

  • 個々のニーズに応える「着られる服」を作ることは難しいと思い込んでいましたが、そうした先入観はアパレル業界に立ちふさがる壁と同じで、私自身が取り払わないといけないと感じさせる刺激的な会でした。知らないことだらけで学びが多かったです。
  • 非常に内容の濃いお話を沢山聞くことができ、大変充実したシンポジウムでした。また、自分自身の今後の指針を得ることができました。
  • 様々なお立場の方々の実践的な情報をいただき、勉強になりました。
  • それぞれの講演がとても濃い内容で、非常に勉強になりました。
  • 色々な方のご意見を聞けたことです。
  • 色々なご活動を拝聴して勉強になりました。
  • このような情報交換の場に参加したことがなく、様々な立場の方からの発表が非常に参考になった。
  • 専門家、研究者、当事者、企業のさまざまな立場の方の課題や取り組みを、短い時間でたくさん聞くことができ、初めて参加する私でも内容が分かりやすく、大変勉強になりました。全ての講演が、新たな気づきにつながり、大満足です。
  • 自分の知らない情報が多くあり、ためになった。
  • 修繕だけではなく、インクルーシブデザインの服について、知らなかったことがたくさんあった。
  • 様々な立場の方のお話を伺えたことが大変有意義でした。自分の想像力では限界があり、実際に経験されたから伺う必要があると再認識した。
  • 様々な立場の方々のインクルーシブファッションへの取り組みの現状をお聞きすることができ、知らなかったことも多くあり、とても勉強になりました。
  • メーカー側とユーザー側の意思疎通が難しい場合にどんな工夫したか、が参考になった。
  • 当事者の意見、事業者 側の意見、学術的な立場での意見を聞くことができてとても参考になりました。
  • 開催の趣旨に「専門家や研究者だけでなく、一般の方々にも広く参加いただき、多様な視点から意見を交換することで、より包括的なファッションの未来を共に考えます。」と記載されていたので、専門外ではありますが、参加しました。さまざまな登壇者のまさに多様な視点から、具体的なお話をお伺いして、たくさんの学びがありました。大変満足しています。

<その他、シンポジウムで感じたことやご要望>

  • 気後れして交流しきれず少し後悔しました、次回に生かしたいです。
  • 素晴らしいお取り組みをされている方々のお話をたっぷり伺えたため。交流も楽しい時間でした。
  • オンラインの音声が途絶えたり、情報交換会の時間が 5分しかなかったので、-1点。
  • 最後の情報交換会の時間がもう少しほしかったです。
  • 質疑応答などの時間がもう少しあってもよいかも(オンラインの制約上難しいですが)。
  • 全部参加できたわけではないので。

問4シンポジウム全体についてのご意見、ご感想をお聞かせ下さい (総回答数32名)

<充実した内容だった>

  • 本日は本当に有益な情報をたくさんいただき、このような機会をいただ けたことを感謝申し上げます。とても中身の濃い、充実したシンポジウムでした。
  • 講演者も運営者も参加者も豪華な方々で、意外な気付きもありました、ありがとうございました!
  • 良い刺激と学びとなりました。
  • 沢山の事例をご紹介頂き、本当に素晴らしいシンポでした。オンライン双方向で途中いろいろなトラブルがありながら、会の主旨と同じく「誰も取り残さない」で、最後まで時間以内に終えることができたことが、主催者側のご準備や講演者様のご尽力を非常に感じました。ありがとうございました。
  • 貴重な機会を作っていただきありがとうございま した。
  • 知らないことばかりで面白かったです。
  • ステキなお話聞くことができました!
  • とても勉強になる、豊かな時間でした。
  • とてもよい企画と思います。

<新たな発見を得られた>

  • 普段あまり直視しない「ファッション」という領域そのものの多様性にも驚く会でした。人の多様性に合わせたファッションの領域の取り組みに非常に驚きました。そして良くも悪くも考えてしまったのは「おしゃれって難しいな」でした。本来であれば、自分で選択し、なりたい自分で在ること、そのものであるはずなのに、「社会の中でのファッション」には様々なルー ルや文化があるように見え、それが「おしゃれできない人」を生み出してしまっているような一面もあるのかも、と。うまく言えませんが、近年では「ブルベ冬」「イエベ春」の ように「その人の肌の色」や骨格に「合う」ものを「選ぶべき」という風潮を感じます。発表にもありましたが、「自分に似合うかどうか」は自分自身や信頼のおける近しい人が大切にでき、他者に「なんか似合ってないね」という判断?をすることが望ましくない気がする一方、どこかで社会にはそういう「自分には似合わないから」という線引きが発生してしまっている気もします。ここまで深く「おしゃれ」について考えたことがなく、今回のように物理的な衣類に対するアプローチの他にも、上記のような社会構造にも議論の余地があるのかな、と思いました。
  • 多様なジャンルからの取り組みが聞けて楽しかったです。
  • インクルーシブファッションについてこんなに沢山の方が考え、行動に移してくれていると思うと、服に困っている当事者の保護者でもあるので、とても嬉しかったです。
  • 時間があっという間に過ぎました。楽しかったです。
  • 参加したいと思う取り組みがあり、良い機会に恵まれたと感じた。
  • 大変勉強になりました。また今後の行動につながるものになりました。
  • 普段なかなか聞くことのない話だったので良かった。

<交流もできてよかった>

  • 色々な方とお話できて有意義でした 。
  • 様々な立 場の方々の話を聞くことが出来、交流することもできて良かったです。
  • いろいろな立場の人がいて、貴重だった。
  • 多くの方の活動を広く知らしめて、情報共有することがまず大事と感じました。

<その他、感想やご要望>

  • 交流会の時間はもう少し欲しかったです 。
  • 富田公美さんが長男くんの足が大きくなりmonsterがサイズアウトしてしまったとお話がありました。 高齢者向けですが、脱ぎ履きしやすく安定感がある、サイズ展開も豊富なようです。
    らくつ
    https://lakutu.jp/
  • メモが取りきれませんでしたので、レジュメをいただけ ましたら幸いに存じます。
  • 縫製機器メーカーや縫製工場と関係する仕事をしています。日本の縫製工場は海外の工場に押され少なくなり、またその上人手不足です。学校でのミシンの教育の時間も減り、ミシンを使って家で服を作ったり補修する事も減っています。こちらの課題も良い方向にと思います。
  • Zoomに後で入った人のところにZoomの主導権が移ってしまう部分が大変だなと思った。
  • トラブルがあった場合はZoomの再入室はよくある話なので、改善できそうな部分だなと感じました。
  • 良く運営されていました。
  • 私はたまたま家族会の「わかば」の会員の方から、シンポジウムのことを知りました。もっと多くの方、特に施設や病院の方や利用している方に、衣服のことに目を向けてもらいたいです。イベントの告知や今後立ち上げを予定している情報共有サイトのことを、貼り紙やチラシで病院や施設に配布してもらえると、嬉しいです。知らないだけで、興味持つ方は多くいると思います。
  • とても有意義なシンポジウムでしたが、やはり発表者も多く、長くなり交換会や質問の時間が短くなったので、発表者特に企業などの説明や略歴など事前にわかるようにしていただける(または、閲覧がいつでもできる)ようにしてもらえると省略、時間の節約になるのではと思いました。
  • 情報交換会には参加しませんでしたが、シンポジウム全体を通して、様々な方々の貴重な研究、活動、事業を理解することができました。日頃、障がい者や不便をお持ちの方にお会いすることがほとんど無いので、様々な不便や困難を抱えながら、被服生活を送られていることが理解できました。良い取り組みをされている方々の事業が、多くの人々に知られていないことや、事業として収益を得ていく難しさを感じました。この取り組みが広まることで、さらに多くの人々のQOLの向上 につながればと願います。
  • オンライン参加者の氏名が見えてしまっていたので次回はご配慮頂けると助かります。
  • とても濃い内容で良かったです。意見交換の時間が少なかったことが残念でした。
  • <要約筆記の配慮>は初めての経験でしたが、聞き逃した言葉を確認することができて、とても良い取り組みと感じました。こうした配慮や取り組み、インクルーシブデザインの商品は、誰にでも優しいものであることを改めて実感する機会となりました。ありがとうごございました。
  • このシンポジウムを継続、あるいは形を変えても続けることでその役割をはたせ るのではないかと思いました。
  • 全てに参加できずとても残念でした。

問5.今後、期待すること、欲しい情報などがあればご記入ください(総回答数25名)

<シンポジウムの開催を継続してほしい>

  • 是非、今後もこのような会を継続していただきたいです。本日もそうでしたが、当事者、ビジネス、研究の全ての方が一緒に学び、交流できる場が良いと思いました。
  • 学会的な感じで定期開催し、インクルーシブファッションをもっと広げていければと思います。
  • 類似イベントの次回開催予定を通知いただけましたらありがたいです。
  • 次回があれば楽し みにしています。
  • 体に不具合をかかえていらっしゃる方の服作りがしたいとの思いから研究を始めましたが、学校に勤務しているとなかなか当事者にお会いすることができません。ご発表された方はもちろん、参加された方ともっとお話ししたいと思いました。またこのような機会がありましたらよろしくお願いいたします。
  • インクルーシブファッションだけのイベントや展示会などの開催 。
  • 継続して参加させていただきたいと思いました。
  • 定期的にこのような会が開かれるとよいと思いました。それぞれの活動が社会であまり認知されていないようです。我々が繋がり合って、必要な人にすぐに多くの情報が届けられるようになると良いと思いました。

<情報発信してほしい>

  • 個々に対応する事が多かった障害者衣料について工夫した内容や便利な資材等の情報がすぐに見つけられると助かります。
  • 今回のシンポで得た情報や内容を、教育現場で事例として伝えるだけでなく、 PBL型授業の一環として取り入れられないかと感じました。アイデアに乏しいので、どうしたら演習や数回の講義で取り入れられるかわかりません。ワークショップのような形式もありましたら、ぜひ参加したいです。
  • 素晴らしいシンポジ ウムを開催してくださりありがとうございました。
  • 今回のようなイベント情報。
  • 更に広くお話を聞けたらと想います。
  • アーカイブなどがあればいいと思いました 。
  • 依頼された衣服のアフターケアやお直しなどはどのようにされているかを知りたいです。
  • 経年による症状の進行や変化に対応は。新しいものをまた、最初から作るのは依頼者の負担も多く、もったいないと常々思っているので。
  • 生活科学の授業をする中で、衣食住と医療の関係を考えた時、食は病院内の管理栄養士がサポートできるが、衣服と住居はどのようにサポートができるのか、病院の知識 は実習での経験しかなく大変悩ましく思っていた。特に、看護師を目指す方々は患者さんが衣食住についてどんなことで困るか、どうサポートできるか知りたいという意見が多かったため、とても困っていた。今回、伺った困ったことや解決方法などがまとまっているサイトがあればとてもありがたいと思った。
  • 作成中であるとお伺いした「情報共有提供のためのウェブサイト」の公開を期待しています。そして、ウェブサイトから口コミが広がって、マスコミに取り上げられたら、身近に情報環境がない人、アクセスしにくい人にもゆきわたるのかなぁと考えたりしています。
  • 情報共有サイトの立ち上げを期待しています。このサイトを見れば、今回講演いただいた方の取り組みや、コンタクトが取れると大変助かります。

<今後の取り組みについてご要望>

  • 発表者の数を減らして具体的な取り組みを、深く知りたい。
  • とにかく、知らなくて気がつけないことで、困ったままです。情報探しで疲弊 していますし 、正しい情報なのか不安です。ちゃんとした組織から、あらゆる情報をまとめて発信していただけると、私のような突然障害の家族を持った一般人にも届きます。大いに期待しています。家族会の皆さんにも共有します。
  • 昭和時代に比べるとリソースは整ってきているので、いかに情報を共有するかでしょうね。
  • 衣服の修繕をする時の工夫などが具体的に聞けると嬉しいです。
  • 看護、介護、福祉に関わる人々や学生らにもこれらの情報が提供され、インクルーシブファッションが広まることを望みます。
  • インクルーシブデザインの研究事例、困っている事例、など。
  • これまでも、さまざまな取組がされてきたにも関わらず、認知されていないことが一番の課題だと思います。根本的な問題解決のために、具体的にどうすれば良いか、意見交換をする場が必要です。私は子どもと親の介護に関わり、当事者として事業を立ち上げました。ぜひ今後ともこの取り組みに関わっていきたいと考えています。
  • 引き続きよろしくお願いいたします。
  • 私達はインクルーシブデザインの衣料を求めている方とサービスを提供できるかたとを、つなげる窓口ができればと考えています。
  • 何か協力しあえる情報があればうれしいです。

ご協力ありがとうございました。