東京都は、2022年より、世界に羽ばたくファションデザイナーの育成のため、都内在住又は在学の学生を対象にファッションコンクール「NFDT」を行っています。
その一つの部門に、障害のある方も含め誰もが楽しめる服を生み出す「インクルーシブデザイン部門」があります。

2026年度の一次審査通過者向けのワークショップのご案内を頂いたので、見学させていただきました。

参考 (※URLのアクセス日は、2025年9月26日、※は取材者の注)
NFDT 詳細HP  https://nfdt.metro.tokyo.lg.jp/
NFDT 2026 一次審査通過者発表 作品紹介
https://nfdt.metro.tokyo.lg.jp/primary-selection2026_inclusive/

写真は、すべて東京都産業労働局提供

2025年9月24日(水)19:00~21:00 住友不動産新宿グランドタワー5Fの会議室にて

特別アドバイザーの2名より「インクルーシブデザインのファッション」の事例紹介が50分あり、その後、3つのテーブルに分かれて、 障害当事者と学生さんがグループディスカッションを21:00まで行いました。

参加学生 一次審査通過者 8名
参加当事者 3名
 Aテーブル 車いす利用者1名、学生4名
 Bテーブル 車いす利用者1名と介助者2名、学生3名
 Cテーブル 視覚障害者1名、学生1名、デザイナー1名

特別アドバイザー
上原大祐氏(一般社団法人障害攻略課 代表)
加藤さくら氏(一般社団法人mogmog engine 代表)

【事例紹介】

上原さん、加藤さんから、学生さんたちにコメント
「障害当事者と一緒にデザインしてほしい。」
「障害をイメージしてではなく、リアルに作れるようになってほしい。」

プロジェクタースクリーンを使って衣服の事例を紹介している様子
図:ワークショップの様子(事例紹介)

以下、紹介されたモノ(一部)

【障害当事者と学生のディスカッション】

各学生さんは、真摯に障害当事者の方々と質疑応答し、メモしていました。
この機会を活かして次の二次審査(2025年11月)に向け本格的な製作が始まります。

写真直後の記載(キャプションを除く)は、テーブルの周りを回っているときに聞こえた声のメモ

車いすの障害当事者などがテーブルを囲みワークショップをしている様子
図:ワークショップの様子 障害当事者との議論 Aテーブル
特別アドバイザーの加藤さくら氏と複数の障害当時者がワークショップをしている様子
図:ワークショップの様子 障害当事者との議論 Bテーブル
図:特別アドバイザーの加藤さくら氏 一番右

背中にデザインがあって、(車いすに乗っていると背中は見えないので)そのために購入を諦めることがある、または、リメイクする。
実店舗で試着ができないので、最初から快適なデザインがあると良い。

テーブルを囲みワークショップをしている様子
図:ワークショップの様子 障害当事者との議論 Cテーブル

(視力に障害があり)見えないので、カラフルなモノはこわい。自分に合うか不明。けれども、着れるなら着たい。
服のヴィジュアル面を言葉で説明することが難しい。人によって上手下手がある。 聞く方も、途中で受け止めてわかったとすることがある。

【その他、参考】

「Next Fashion Designer of Tokyo(NFDT)2026」では、2025年9月1日~10月31日に一次審査通過作品の一般投票を行っています。
どなたでも投票でき、複数作品への投票も可能です。
ご関心あれば、以下をご覧ください。

公式インスタグラムで受付(各デザイン画に「いいね!」をクリック)
Next Fashion Designer of Tokyo 2026:https://www.instagram.com/nfdt_tokyo/
Sustainable Fashion Design Award 2026:https://www.instagram.com/sfda_kimono_wagara/

各部門で得票数(いいね!数)が多かった上位3作品を11月下旬にSNS・HPで発表予定 選ばれた作品から、2026年3月に実施予定の最終審査で「特別選抜賞」を決定

取材・文責 小野栄一